Orogirum / SanalucaS (Haruka Shimizu x Isana Akita)

2026


Orogirum

「1stを飛ばし、2ndから始まる」――SanalucaSが提示する、欠落と残響の美学。 清水悠と秋田勇魚によるユニット「SanalucaS(サナルカス)」のデビュー作にして、あえて「2ndアルバム」と位置づけられた野心作。本作は、音楽の既成概念を拡張し、リリースの順序そのものを作品の一部として捉えるアート・ステートメントである。 「存在しないはずの1st」という不在の証明。リスナーは本作を聴き進める中で、そこにないはずの記憶や残響を意識し、作品の完成形を自らの想像力で補完することを求められる。 収録楽曲は、ユニットの原点となった秩父のカフェギャラリーや、高知・鏡川の水面、あるいは「中津川420」といった具体的な座標を起点とした、極めて私的でメタフィジカルな記録だ。即興的な響きと「Orogirum」「Sarab」といった抽象的なイメージの間を揺れ動き、清水の過去作を再構築した「Ogurasawa」を経て、終幕の「St. George」へと至る。 執拗な反復と変容が、語られなかった物語を鮮烈に浮かび上がらせる。2026年、レーベルMMMPより放たれる、音楽シーンを揺るがす「欠落の美学」がここに。

サナルカス 2026年2月、東京↔︎秩父↔︎Somewhere